申し送りって緊張するし苦手・・・。
先輩から何ツッコまれるかわからない・・・。
申し送りに苦手意識を持っている新人看護師さんは多いです。
私も新人の頃は、先輩に私の申し送りを聞いてもらえていないなと感じたり、先輩から「だから何?」と言われたこともありました。
それは、相手が知りたい情報を伝える意識ができていなかったからなんですよね。
申し送りは、相手が知りたい情報にポイントを絞って簡潔に伝えることが大切。
この記事では、申し送りに苦手意識を持っているあなたがスムーズに申し送りができるようになるコツをわかりやすくお伝えします。
参考例を用いて解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
\ 単発バイトをするなら/
明日から使える申し送りの4つのコツ
重要なことを先に伝える
申し送りでは「一番重要なこと」をはじめに言いましょう。
申し送りを受ける側は、先に結論を言うことでメモをしながら聞くべき重要な内容なのか、情報として知っておけば良い内容なのかを判断するからです。
申し送りを受けた内容を全てメモできるわけではないですからね。
「一番重要なこと」とは、患者のその日にあった病態変化。
検査データの異常値・バイタルなどです。
項目ごとに分ける
新人看護師さんは、自分がしたことを時系列で申し送りしがちです。
しかし、それでは重要なことが何なのかわからず申し送りを受ける側は理解しにくいのです。
申し送りは、項目ごとに分けて伝えましょう。
血圧のことを申し送っているなら血圧のことのみ。
その他のバイタルも必要であれば、それぞれ分けて申し送ります。
話が色々なところに飛ばないように注意!
申し送りの流れが掴めないうちは、項目の順番を決めておくこともおすすめ。
以下に例を挙げます。
1バイタル(体温→脈拍→血圧→呼吸→酸素)
2食事
3排泄・in-outバランス
4ADL(リハビリの様子など)
5本人・家族の反応
この中で、重要なこと・変化があったことを順番に申し送ります。
患者の病態を理解する
申し送りをするあなたが患者の病態を正確に理解していることが重要。
例えば、患者さんの点滴が変更になったことをリーダー看護師から言われた時「どうしてだろう?」と考えられていますか?
業務に追われてしまうとなかなか難しいですが、指示が変更になった場合はその理由をアセスメントするよう心がけましょう。
患者さんの病態をあなたが理解していないと申し送りを受けた側も理解できませんからね。
メモに要点をまとめる
「申し送りをする時に緊張してしまう」という方は、申し送り前に要点をまとめておくと落ち着いて申し送りできますよ。
メモの取り方は自由。自分が分かればOKです。
私は申し送る項目をメモしておき、その順番通りに申し送りをしていましたよ。
申し送りで伝えるべきポイント【シーン別参考例あり】
何をどの順番で申し送りをすれば良いかわからず、苦手意識を持っている方が多いのではないでしょうか。
申し送りのポイントを、例文を用いて紹介します。
受け持ち患者の病態に当てはめてみてくださいね。
入院中の患者さんの場合
申し送りの短縮を図るために、カルテに記載されていることは申し送りをせずに省略している病院が多いです。
以下の例文はあくまで参考程度に。
薬剤開始
65歳女性・腰椎圧迫骨折で安静加療中・ベッド上安静・Ba挿入中
昨日から発熱あり
参考例
昨日から発熱していて、本日トップで37.8度、クーリングし最終37.4です。
採血でCRP:5.1と高く尿路感染症によりレボフロキサシン(薬剤名)が開始になりました。
尿混濁が強く、ミルキングをして尿量は日中350mlです。
こまめに飲水を促して日中500mlほど摂取しています。
解説
・なぜ薬剤が開始したか簡潔に
・必要な継続看護、看護介入した結果を伝える(ここではミルキング、飲水促し)
転倒
89歳男性・肺炎で加療中・認知症あり・ADL車椅子
参考例
本日10時に一人で立ち上がりベッドサイドで座り込むように転倒しました。
話を聞くと、トイレに行こうとしたようです。
バイタルに著変はなく外傷や疼痛もありません。
CTの結果も問題ないため様子観察となりました。
やや興奮している様子だったので、日中は車椅子離床をしてナースステーションで過ごしました。
ベッドサイドには離床センサーを設置したので、夜間も観察強化をお願いします。
解説
- 患者さんの行動を簡潔に
- どのように対策したか
術後
75歳女性・右大腿部頚部骨折に対してORIF(観血的整復固定術)施行・認知症なし
参考例
右大腿部頚部骨折に対して予定通りORIF施行し13時に帰室しています。
術後のバイタルは帰室時やや血圧が低く80〜90台でしたが最終110台です。
気分不快等はありません。
疼痛の訴えがあり15時にアセリオを使用して疼痛スケール5/10で経過しています。
創部の出血はなく、痺れや感覚鈍麻もありません。
術後せん妄なく、ナースコール使用できています。
挿入物はBaのみです。
酸素は3LでSPO2:100%です。18時酸素オフの指示が出ているのでよろしくお願いします。
解説
- 異常値は一番悪い値と最終で測った値を申し送る
- 頓用薬を使用した場合は評価ができるように時間も伝える
- 安静度は事前の指示から逸脱がなければ省く
- 依頼することは明確に
病態変化
70歳男性・イレウス保存的加療中・ADL車椅子・認知症なし
参考例
今朝から多量の嘔吐があり、緊急でイレウス管を挿入しました。
メラに接続して圧設定-20cmH20間欠持続吸引中です。
12時にイレウス管を挿入し、黒緑色の排液が400mlほどです。
腸蠕動音は微弱で、腹壁ハードです。嘔気は軽度です。
バイタルは血圧100台、脈拍80台、SPO2低下ありません。
in-outバランスは12時分からでお願いします。
食事・内服は中止の指示をもらっています。
明日分の点滴は変更依頼中なので、再度確認します。
解説
- 重要なことは一番最初に
- 指示の入力がない場合は確認する旨を伝えておく
新しく入院した患者さんの場合
入院患者さんの伝えるべきポイントは以下の通り
1.患者名・年齢・疾患名
2.入院目的
3.入院までの経過(簡潔に)
4.現在の症状
5.ADL
6.内服薬、既往歴(重要なもの)
7.禁忌事項、特別な指示
8.患者さん、家族の要望
これら全てを申し送る必要はありません。
新しく入院した患者さんの場合はあれもこれもと申し送りが長くなりがちです。
相手が知りたい情報にポイントを絞って簡潔に申し送ることを心がけましょう。
手術目的
参考例
右鼠径ヘルニアに対して手術目的で入院しました。
現在の症状は歩行時の疼痛ですが、自制内で経過されています。
ADLは自立です。既往にAf・脳梗塞があり抗凝固薬を内服していましたが、術前から中止しています。
術前オリエンテーションは済んでいて、理解良好です。
明日の手術は1件目で、家族は奥様が来院予定です。
緊急入院
参考例
大腸憩室炎のため点滴加療目的で入院となった患者さんです。
数日前から左下腹部の痛み・発熱があり改善しないため本日受診し、入院となりました。
絶食・点滴管理で、抗生剤の初回投与は○時に実施したので2回目は○時にお願いします。
現在左下腹部の疼痛は自制内で、鎮痛剤は使用していません。
熱は37.7度、最終排便は本朝下痢便だったとのことです。
ADLは自立です。既往に糖尿病があり、血糖降下薬は中止・その他は継続の指示です。
血糖測定は3検でスライディングスケールはなく、測定のみで良いと指示もらっています。
まとめ
申し送りは、相手が知りたい情報にポイントを絞って簡潔に伝えることが大切。
明日から使える申し送りの4つのコツは以下の通り。
1.重要なことを先に伝える
2.項目に分ける
3.患者の病態を理解する
4.メモに要点をまとめる
新しい入院患者さんの場合は申し送る内容が多いため、下記の項目に沿って簡潔に申し送りします。
1.患者名・年齢・疾患名
2.入院目的
3.入院までの経過(簡潔に)
4.現在の症状
5.ADL
6.内服薬、既往歴(重要なもの)
7.禁忌事項、特別な指示
8.患者さん、家族の要望
慣れないうちは、「あれもこれも申し送らなくちゃ!」と焦ってしまいますよね。
私もそうでした。
新人の頃は申し送る項目をメモに書いておき、患者さんの状態を当てはめて申し送りをしていました。
そうすることで、重要なことを簡潔に申し送ることができるのでおすすめ。
先輩看護師がどんなことを申し送っているのか聞いて、真似することも勉強になりますよ。
申し送りをする時は自分のワークシートを見ながらになると思います。
分かりやすいワークシートの書き方はこちらを参考にしてみてくださいね。
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