のんびり働きたいけど療養病棟ってどんなところ?
やりがいはある?
看護師としてのスキルアップはできる?
このような悩みを解決します。
療養型病院は急性期病院のような慌ただしさがなく患者さん一人ひとりの個別性を大切にしてプライベートを重視しながら働ける職場です。
しかし、のんびり働ける=楽な仕事ではありません。
この記事では、療養型病院の仕事内容ややりがい、向いている人について解説します。
急性期病院から転職すると、療養型病院の働き方に少なからずギャップを感じることがあるかもしれません。
私が急性期病院から療養型病院へ転職して感じた違いについてもお伝えしています。
この記事を読み、療養型病院への転職の検討材料になれば幸いです。
療養型病院で働く看護師の仕事内容
療養型病院とは、急性期を脱し慢性期の症状が安定している患者さんが、医師の指示のもと看護や介護・リハビリが受けられる病院のこと。
一般病床の平均在院日数は16.1日。
療養病床の平均在院日数は131.1日。
上記から療養型病院の患者さんは長期入院していることがわかります。
(参考:令和3(2021)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況|厚生労働省)
療養型病院に入院している患者さんは、認知症高齢者の日常生活自立度Ⅳ(日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする)が最も多く、寝たきりの患者さんもいます。
(参考:療養病床に関する基礎資料|厚生労働省)
このような特徴のある療養型病院の仕事内容をお伝えします。
医療ケア・日常生活援助
療養型病院で行う主な医療的ケア・日常生活援助は以下のとおり。
- バイタルサイン測定
- 採血、点滴
- 経管栄養、胃瘻管理、食事介助
- 喀痰吸引
- 服薬管理
- 清潔ケア
- 褥瘡処置
- 移乗、移送介助
このような業務を日々行います。
病院によっては、胃瘻増設や低侵襲の手術を行なっている場合もあるので術前術後の管理が含まれることもあります。
基本的に医療行為は少なく、日常生活援助がメインになります。
患者・家族との関わり
- 患者、家族の意思決定支援
- 退院や転院に向けた関わり
- 他職種との情報共有
療養型病院は、長期入院の患者さん一人ひとりの個別性を重視した看護が求められます。
患者さんだけでなく家族も含めた精神的サポートが必要です。
患者さんを一番近くでサポートしている看護師が、他職種と積極的に情報交換をして患者さんやその家族の精神面を支えていく役割を担っています。
患者さんや家族が後悔しないよう支援していかなければなりません。
療養型病院で働く看護師のやりがい
療養型病院で働くやりがいをお伝えします。
個別性のある看護ができる
療養型病院で働く看護師の一番のやりがいではないでしょうか。
療養型病院の患者さんは長期入院を目的としており、寝たきりの患者さんが多くお看取りをすることもあります。
患者さんと時間をかけて思いの表出の手助けをしたり、患者さんのその人らしさを大切にできるよう一人ひとりに寄り添った看護を提供しています。
クリニカルパスに沿った看護ではなく個別性のある看護ができ、やりがいを感じます。
患者・家族を精神的にサポートできる
患者さんが安心して入院生活を送るためには相互の信頼関係が必要ですね。
患者さんの疾患は様々で長期療養が必要な進行性の疾患の方や緩和的な関わりも必要になります。
そのような患者さんが安心して入院生活を送るためには看護師の精神的なサポートが不可欠です。
患者さんを一番近くで寄り添う看護師は患者さんの不安を打ち明けられる存在であり、患者さんだけでなく家族の精神面の支えにもなります。
信頼関係を築き患者さんやその家族をサポートすることで、少しでも患者さんの不安を軽減できた時は看護師も温かい気持ちになり、やりがいを感じます。
患者さんの小さな変化に気づける
療養型病院では寝たきりの患者さんが多く、症状を訴えられない方もいます。
日々の変化はとても少ないですが、看護師は患者さんの全身状態を観察し異常の早期発見に努める必要があります。
患者さんの小さな変化をいち早く発見し、誤嚥や感染、褥瘡を未然に防げるよう日々の看護に活かしています。
長期的に患者さんと関わる療養型病院だからこそ普段との変化に気づけることも多く、やりがいを感じる瞬間です。
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療養型病院の看護師として働くメリット
療養型病院で働くメリットは以下のとおり。
経過を追いながら患者とじっくり関われる
急性期病院では術後状態が落ち着くと早期に退院や転院をするので、患者さんと長期的に関わることは難しいですよね。
しかし療養型病院は長期療養の患者さんが入院しており入退院が少ないので経過を追いながら関わることができます。
患者さんやご家族の精神的・身体的なサポートをじっくり学べることは看護師として大きな成長になります。
急性期病棟ではこの経験は得られなかったと感じています。
慌ただしさがなく残業が少ない
療養型病院では、緊急入院を受け入れていないことや手術件数が少ないことから急性期病院のような慌ただしさはありません。
入院している患者さんは慢性期の状態が安定している方になります。
状態が安定しているということは、緊急で行う検査などイレギュラーなことが少ないということ。
業務はルーティン化しているのでほとんど残業は発生しませんよ。
のんびり働きたい方・家庭との両立を叶えたい方にとってメリットになるでしょう。
高度な医療行為が少ない
療養型病院でも、点滴やIVH、胃ろう管理などの医療的処置はもちろんあります。
しかし急性期の治療を脱している慢性期の方が入院しているので、高度な医療行為は少なくなります。
緊急の処置も少ないので高度な医療行為によるプレッシャーを感じずに働きたい看護師にとってはメリットになりますね。
プライベートの時間を大切にできる
仕事とプライベートのバランスがとれた働き方ができるのは療養型病院のメリットです。
日々の業務や研修、委員会などは全て勤務時間内で取り組んでいる場合が多いですよ。
大きなトラブルがなく勤務がすすめば、勤務時間内にその日に学んだことを振り返り勉強ができる時間があることも。
プライベートを重視し休日は自分の時間を大切にできるのは嬉しいポイントですね♩
療養型病院の看護師として働くデメリット
療養型病院で働くデメリットも把握しておきましょう。
新しい看護技術が身につきにくい
療養型病院は、慢性期の状態が安定している患者さんが入院しています。
高度な医療処置を必要としないため、新しい看護技術を習得することは難しくなります。
多くの処置や技術を学びたい看護師にとっては物足りなく感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、療養=処置がないわけではありません。
慢性期でも採血・点滴はもちろんのこと、低侵襲の手術を行っている病院もあり学べることも多くありますよ。
生活援助が多く体力的負担がある
療養型病院の看護は、生活援助が多くなります。
寝たきりの患者さんも入院しているので、排泄介助や寝台を使用し入浴介助をすることもあります。
毎日全員の排泄介助・清潔ケアを回るのに2時間以上かかることもあります。
体位交換が必要な患者さんも多く、腰を痛めてしまう看護師も少なくありません。
療養型病院に向いている看護師
患者とじっくり向き合いたい
患者さんの人生に寄り添い、一人ひとりの個別性を大切にしながら働きたい看護師に療養病院は向いています。
療養病院は1日の仕事がルーティン化していることから業務に追われることがなく、患者さんとじっくり向き合えることができます。
入院期間も長いので患者さんの長期的なサポートがしたい看護師に向いています。
プライベートを重視したい
就業後や休日は自分の時間としてプライベートを重視したい看護師に療養型病院は向いています。
日々の業務や研修なども勤務時間内に終わらせている職場が多く、ママさんナースや趣味を楽しみたい・資格の勉強をしたい看護師にはピッタリですよ。
パート勤務の看護師も多く、勤務時間は人それぞれで自分が無理なく働ける範囲で勤務しています。
のんびり働きたい
患者さんと向き合いながらのんびり働きたい看護師に療養型病院は向いています。
療養型病院は、慢性期の症状が安定している患者さんが入院しています。
緊急の検査や処置・手術件数も少なく、急性期に比べるとイレギュラーなことは多くありません。
高度な医療行為によるプレッシャーを感じるケースも少なく、比較的のんびり働けますよ。
ケア業務にやりがいを感じる
療養型病院は寝たきりの患者さんも多く、日常生活援助は看護師の重要な仕事の一つです。
排泄介助・入浴介助などを介護士と協力して日々行うので、ケア業務にやりがいを感じられる看護師に向いています。
オムツ交換をするにしても、排泄物の観察、皮膚状態の観察・処置、適切な体位交換、など看護師の視点でケアできることは多いにありますね。
観察したことをケアに活かし患者さんの状態悪化を未然に防ぐことにやりがいに感じる方に療養型病院はおすすめです。
年収はできるだけ下げたくない
のんびり働きながら、年収も重視したい看護師に療養型病院は向いています。
のんびり働く職場には、療養型病院の他にも健診センターやデイサービス、保育園看護師などが挙げられます。
これらの職場は夜勤がないことや基本給の他に手当が付かないのでどうしても年収が下がってしまいます。
療養型病院では夜勤手当があり、地域や病院よって異なりますが年収は500万円前後。
急性期病院と比べるとやや低くなる傾向にありますが大きな差はありません。
協調性がある
協調性がある看護師に療養型病院は向いています。
療養型病院は寝たきりの患者さんが多いことから、日々のケアは看護師と介護士が協力して行います。
ルーティンワークが多いので、決められた時間に決められた業務をチームで協力して行える協調性が求められます。
急性期病棟では、朝の申し送りが終わればそれぞれ受け持ち患者のケア・検査・手術・ICなどで個々に時間配分をして動くことが多いですが、療養病棟はチームで動くイメージです。
また、チーム全員の業務が時間内に終わるように協力して業務をしている病棟が多ので、周りを見て働ける看護師が向いています。
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療養型病院を選ぶ時に注意したいポイント
療養型病院を選ぶ時のポイントを3つお伝えします。
これらのポイントを押さえて転職活動をすることで転職後のミスマッチを未然に防ぐことが可能になります。
夜勤の人数・回数
療養型病院の夜間の配置人数は病院によって異なりますが、ほとんど医療行為がないため看護師が自分1人(+看護助手2名ほど)となる場合もあります。
医療行為は少ないと言っても、いつ何が起こるかわかりませんし何かトラブルがあった時の判断は自分一人でしなければならず、不安抱えながら勤務にあたることもあるでしょう。
そのようなストレスを感じながら働くことを避けるためにも、事前に夜勤の人数は把握しておく必要があります。
もし夜間の看護師配置が1名だった場合には、夜勤の独り立ちまでにどのくらいかかるのか、夜勤中のフォローは十分であるかを確認しておきましょう。
療養病棟はママさんナースが多く、一般病棟に比べると夜勤ができる看護師が少ない場合があります。
日勤帯はママさんナース、夜間帯は常勤の夜勤が可能なナースと夜勤専従で担当しているようなイメージです。
実際私も療養型病院では夜勤を7.8回していました。
人間関係
転職をする時にどの職場でも重要視するのが人間関係ですよね。
療養型病院では、特に人間関係の情報収集は慎重に行いましょう。
なぜなら、療養型病院は勤続年数が長い看護師が多くすでにできているコミュニティの中に入ることが難しい場合があるからです。
入職したばかりの看護師は慣れるまでに戸惑うこともあるでしょう。
しかし、平均勤続年数が長いことは働きやすく仲が良い職場であるとも言えます。
看護師の勤続年数や平均年齢、職場の雰囲気などを事前に情報収集をしてストレスフリーに働ける職場か判断しましょう。
福利厚生
福利厚生は働く上で確認しておきたいポイントですね。
療養型病院は、規模が小さい病院もあり大病院に比べると福利厚生が十分ではない場合もあります。
- 託児所の設置
- 育児、介護支援
- 資格取得支援
- 夜勤の食事補助 など
あなたの希望する福利厚生が整っているか細かくチェックしておきましょう。
転職エージェントを活用する
最適な職場とマッチングするためには、転職エージェントを活用して転職活動をしましょう。
特に療養型病院では勤続年数が長い看護師が多く、職場の雰囲気や人間関係が病棟ごとで大きく違います。
そのような内部事情を自分で調べるには限界があるので、職場のリアルな情報を知りたい時は転職エージェントを活用するのがおすすめです。
転職エージェントを活用することで、職場の理解が深まり最適なマッチングに繋がります。
自分では直接聞きにくい給与や福利厚生などは、転職エージェントを経由して情報収集することも可能です。
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まとめ|やりがいのある療養型病院でのんびり働こう
療養型病院の仕事内容ややりがいについてお伝えしました。
療養型病院は、慢性期の状態が安定している患者さんが長期入院している病院です。
そのため高度な医療行為は少なく、日々の業務はルーティン化しており残業はほとんどありません。
プライベートの時間を大切にしながらのんびり働きたい看護師にはおすすめの職場ですよ。
自分に合う職場への転職を成功に導く方法はこちらの記事を読んでみてください♩
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