現役看護師が教える効率の良い夜勤ラウンドのコツとは?

夜勤のラウンドって何をみればいいの?
スタッフも少ないし不安だな・・・

夜勤はスタッフも少なく、一人で十数人を受け持たなければならないため不安も多いですよね。

仕事が早い先輩看護師をみてどのようにラウンドしているのか気になることもあると思います。

私も新人の頃はラウンドに時間がかかっていました。
先輩看護師に「何してるの?」「回れてる?」「大丈夫?」と言われることもしばしば・・・

しかし、ラウンドのコツを掴むことで効率よくラウンドできるようになりますよ。

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病棟看護師歴10年の私が経験したことを元にお伝えします!

目次

現役看護師が教える効率の良いラウンドのコツ

優先順位をつける

優先順位のつけ方は、重症度緊急性です。
夜勤前に患者さんの情報収集をする際に優先順位をつけてどの患者さんからラウンドをするべきなのかを判断します。

例を挙げます。

①本日手術の患者さん、酸素・ドレーン・点滴あり。18時に酸素オフの指示
②バイタルが安定している術後3日目の患者さん、抗生剤を18時に投与予定

この場合、夜勤の初回ラウンドは①術後の患者さんになりますね。
重症度の高い患者さんからラウンドして状態を観察します。

優先順位はその都度変わるので初回ラウンドで患者さん全員を観察したあと、その後のラウンドの優先順位をつけていきます。

例えば食事のラウンドの場合、嚥下機能の評価が必要な患者さんや薬を飲んだことをすぐに確認しなければいけない患者さんの優先順位が高くなりますね。

ラウンド中に、モニターのアラームが鳴った・緊急入院が来るなどの場合は、緊急性のある患者さんを優先的にラウンドします。

夜間に必要な情報収集をする

ラウンドが早い先輩看護師はラウンドに必要な情報収集が十分にできています。
患者さんの観察するべきポイントがわかった上でラウンドしているのです。

夜勤で特に把握しておきたい情報は以下の通り。

  • 夜間の眠剤、鎮痛剤の使用状況
  • 夜間の排泄状況
  • 日頃の夜間の様子

夜間眠剤や鎮痛剤を使用している患者さんには、消灯前のラウンド時に頓用薬使用の有無を確認。
患者さんからナースコールがある前に対応しましょう。

薬を使用する場合は、アセスメント評価も忘れずに。

また、夜間の排泄回数を把握し、トイレ誘導の時間にラウンドを合わせます。


大部屋の場合は、部屋に入った際に他の患者さんの様子もそっと観察することで、効率よくラウンドすることができますね。

夜間の転倒歴がある患者さんは、特に注意してラウンドする必要があります。
夜間患者さんがどのように過ごしているのか把握し、ラウンドを強化するなど事前に対策をします。

環境整備をする

ラウンドをしながら、患者さんの身の回りの環境を整えます。


先回りして患者さんの訴えを解決することで患者さんは安心して過ごすことができ、ナースコールが減ります。

ラウンド中に、ナースコールがあり患者さんの部屋を行ったり来たり・・・
という経験はありませんか?

患者さんと丁寧に関わることで、結果効率のよいラウンドにつながるのです。

特に夜間で押さえておきたい環境整備のポイントを挙げます。

  • トイレまでの導線に危険なものがないか
  • ベッドサイドに水分を用意しておく
  • ベッド柵の位置、高さは適切か
  • 離床センサーは正確に作動するか
  • ナースコールの位置
  • 室温は適切か

受け持ち患者も多いし環境整備まで手が回らない・・・

夜勤に慣れないうちは、業務に追われてしまいがちですよね。


しかし、整備されていない環境では転倒転落の危険やストレスなど睡眠の妨げになります。
丁寧にラウンドすることを心がけ、患者さんにとって安全な環境を提供しましょう。

また、夜間はどうしてもナースコールを躊躇してしまう患者さんもいます。


消灯前のラウンド時に「何か聞いておきたいこと、困っていることはありませんか?」と声をかけてみてください。

患者さんも安心して夜を過ごせますよ。

ラウンドで確認すること

生存確認

まず、第一に生存確認
患者さん全員が心電図モニターをつけている訳ではないので、看護師のラウンドで生存確認をする必要があります。

患者さんがタイミング良く寝返りをしてくれればいいですが、生きていることを確認するってなかなか難しいですよね。
患者さんを起こすわけにはいかないですし・・・。

ポイントは胸郭の動きを見ること。

患者さんの足元にライトを当てて、胸郭の動きを確認します。

転倒・転落の有無


患者さんが自力で柵を外して転倒していた・・・

日中はひとりで歩行できる患者さんが夜部屋が暗い中、トイレに行こうとして履き物がうまく履けず転倒してしまった・・・

これらは私が過去に経験したことです。
認知症のある患者さんだけでなく、患者さん全員が転倒・転落の危険があります。

ラウンド時は、患者さんがベッドにいることを確認する必要があります。

ステーションにいる際は、病室からの物音に敏感になることも大切。
何か物音がしたら異常がないかラウンドをしましょう。

点滴の確認

2時間毎のラウンドでは、点滴が正しく安全に投与されているか6Rを使って確認します。

6R

正しい患者、正しい薬物、正しい目的、正しい用量、正しい方法、正しい時間

・患者さんの寝返りによって、点滴ルートが体の下敷きになり閉塞していないか
・刺入部の漏れはないか


点滴ボトルから刺入部まで、指差しで確認することがポイント

刺入部の観察を怠ると、朝起きた時に腕がパンパンになっていた・・・
滴下がズレてしまうと、勤務時間内に点滴を更新できない・・・

なんてことも考えられますね。

また、輸液ポンプやシリンジポンプを使用している患者さんの場合は、更新のアラームが鳴るタイミングですぐに更新できるようにラウンド毎に残量の確認をしましょう。

アラームの音は大きいので、ポンプを使用している患者さんだけでなくその部屋の患者さんを起こしてしまうことがあります。

睡眠状況

夜間は患者さんが入眠できているかを確認し入眠できていない場合は、理由を考えアセスメントをする必要があります。

以下に例を挙げます。

翌日の手術が不安で眠れない:体を休めるためにも眠剤を使用することを検討する
手術の痛みで眠れない:鎮痛剤を使用して苦痛緩和に努める
夜間せん妄:落ち着かなかったり、訴えがある場合はトイレ誘導してみる・看護師の目の届く場所で観察する・(眠剤の検討)

眠れていないからといってむやみに眠剤を使用せず、できるだけ眠れない原因を解決します。

夜間の睡眠状況は、日中の過ごし方にも影響しますよね。
入眠できていなかったり断眠や浅眠の場合は、日中の活動量低下にもつながります。

患者さんが安楽に過ごせるようラウンド毎に睡眠状況を確認しましょう。

体位交換・オムツ交換

病棟ごとに体位交換やおむつ交換の時間は決まっていることが多いです。

しかし、患者さんの体位が崩れていたり、排泄量が多い患者さんはアセスメントをして時間外での体位交換やオムツ交換を検討します。

ラウンド時の注意点

起こさないよう静かにラウンドする

患者さんの睡眠を妨げないよう、できるだけ物音を立てずにラウンドします。
足音やカーテンの開け閉めには注意しましょう。

ライトの当て方にも工夫が必要です。

・顔にライトが当たらないよう患者さんの足元を照らす
・ライトを天井に向けて部屋全体を少し明るくする

些細なことでも情報共有をする

夜勤の少ないメンバーで患者さんの安全を守るために、メンバー同士で情報共有をして患者さんを把握しておく必要があります。


ラウンド時に少しでも「あれ?」と感じたことは、アセスメントも含めて先輩看護師にこまめに報告します。

夜勤で長時間十数人もの患者さんをみることはプレッシャーや不安を感じますよね。
ラウンドで感じた違和感はそのままにせず、患者さんの安全を第一に考えた行動をとるよう心がけましょう。

まとめ

効率よく夜間のラウンドをするコツは以下の通りです。

・優先順位をつける
・夜間に必要な情報収集をする
・環境整備をする

夜勤に慣れないうちは、ストレスに感じることも多いと思います。
夜勤のラウンドがうまくできず時間がかかってしまう方は、上記のラウンドのコツを実践してみてくださいね。

以下の記事では「夜勤を快適に過ごすための必需品7選、あると便利なもの6選」を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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この記事を書いた人

大学病院→総合病院勤務。主に脳神経外科・神経内科・消化器外科を経験。呼吸療法認定士取得。現在は派遣単発バイトをしながら自由な働き方を模索中。
●りんブログでの発信内容●
・看護師の働き方
・転職体験談
・看護師お役立ち情報

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